
エンジニアが Hermes Agent を使った個人的感想
目次
4ヶ月くらい前にインストールしたものの放置していた Hermes Agent ですが、時間が出来たので触ってみました。大分旬は過ぎてしまいましたが。
本ブログ記事では、主に技術者視点での感想を述べてみようと思います。調べれば分かるインストール方法・設定方法・使い方などは基本的には書きません。
どのような構成・使い方か
Hermes Agent 自体は柔軟かつ多機能で、色んなセットアップ方法・使い方がありますが、まずは私がどのような構成にしてどのように使っているのかについて説明します。
個人・1人プロジェクト用途で使っている
基本的には仕事用で使っています。
複数人が関わるプロジェクトであれば、ソースやドキュメントなどは GitHub で管理して、自動化ジョブも他の人がアクセス出来るインフラで実行しています。例えば以下のような例です。
- Agent Skills を GitHub Actions 経由で定時実行し、野良化を防ぐ – もばらぶエンジニアブログ
- Cloudflare Workflows で Human-in-the-loop を実装する – もばらぶエンジニアブログ
ただ、それ以外にも、仕事の一部ではあるけど自分1人しか関わらない業務というものも色々あります。例えば、
- 個人 X での投稿 → Kaz 🇯🇵🇲🇾🇵🇭でMCP関連のソフトウェア開発 (@mobalab_kaz) / X
- LinkedIn での投稿(最近サボり気味) → https://www.linkedin.com/in/kazuo-kashima-a8055526/
- 会社 blog の投稿
- 本エンジニアブログへの投稿
といった各種投稿作業や
- 自分宛に来た依頼作業をまとめる
- 興味がある分野のニュースをまとめる
といった情報整理作業です。そうしたものを Hermes Agent を使って処理している、あるいはこれから処理する予定です。
VPS へインストール
自分の PC にインストールするという選択肢もありますが、お客様のプロジェクトファイルとかにアクセスされても困るので、新規で VPS を契約して hermes という一般ユーザー(sudo 不可)を作って、その権限で動かしています。
VPS はメモリ8GBで月9ユーロくらいの格安 VPS です。最近値上げしたようですが、値上げ前に契約したのでその金額です。
Messaging Gateway は Discord を使っている
Hermes Agent は、Claude Code や Codex のように CLI でチャットしても良いのですが、Slack, Discord などのチャットアプリをインターフェースにする事も出来ます。
私は Discord を使っています。特別な理由は無いのですが、強いて言えば
- 会社の Slack に色々混じるのが嫌だった
- 以前 OpenClaw を少し触ったときにも Discord アプリの作成とかをやっていたので、ある程度は慣れている
というものです。設定方法は以下にあります。
Messaging Gateway | Hermes Agent
モデルは ChatGPT のサブスクで OpenAI のものを使っている
Hermes Agent では多種多様なモデルを使うことが出来ますが、従量課金だとどのくらいお金がかかるか心配なので、まずは OpenAI のサブスクを使う事にしました(Business プラン)。Anthropic のサブスクも使えたと思います。

感想
自動で色々やる分、トークンの使用量が多い気がする
普段、システム開発や業務自動化では Claude Code と Codex を主に使っています。Claude Code でも auto モードがデフォルトになったり Codex は以前から勝手にどんどん進めてくれますが、それでも(AGENTS.md 等で、なるべく勝手に進めて欲しいと明示的に書かない限り)基本的な方針とかは人間に聞いてくることが多いです。Claude Code や Codex の利用者は開発者が主で、ソフトウェア・システムの内部構造を把握している事が多いのが理由かもしれません。
一方、Hermes Agent で何か作業を指示すると、勝手にプログラムを作ってどっかのディレクトリに配置して、ユニットテストも勝手に作って実行して、という感じで、システムの細かい部分に関しては人間に質問してくることはあまりない印象です。そのせいか、内部で若干大がかりな仕組みを作る(不必要な最適化・過剰なチェック処理とか)傾向が見えます。その結果なのか、トークンの使用量が多いように感じます。
Claude Code や Codex で開発していると5hのリミットに引っかかることはあまりありませんが、Hermes Agent だとたまに5hのリミットに引っかかります。
自動で色々やってくれるのが逆に気持ち悪い
AI 時代の今、AI が書いたコード・設定の中身を細かく見る機会は減っているとはいえ、エンジニアの性としてはどこをどのように変更したのかが知りたくなります(これは人にもよると思います)。Hermes Agent では、何度か行った作業は勝手にスキルにしたりプログラムを作ったりしますし、自己改善も勝手に行われます。Hermes Agent が作成・更新したファイル(会話履歴や一時ファイルなどは除く)を取ってくるスクリプトを作って、たまに GitHub にコミットしていますがどうやってもブラックボックス化は免れません。
これは設計思想の違いなので受け入れる・慣れるしかないなと思いました。
複数プロファイルで用途・人格を完全に使い分けられるのは便利
私は ChatGPT や Claude ではアカウントのメモリ機能はオフにしています。過度に自分に合わせようとしてくるのが嫌だからです。(基本はオンにしてチャット単位でオフにする事も出来るようですが。)あと、場合によって話し方・考え方を大きく変える必要があるというのもあります。(もちろん、ChatGPT、Claude にプロジェクトという概念があるのは知っています。)
Hermes Agent ではプロファイルという仕組みがあり、設定・メモリー・スキルなども別々で管理されます。コーディング用・リサーチ用とかであれば、Claude Code とかでも sub agent にして設定を分けることで実現できますが、社外用・社内用で分けるとか、日本語・英語で分けるとか、色々使い道がありそうです。
詳しくは以下のドキュメントを参照してください。
Profiles: Running Multiple Agents | Hermes Agent
OS ユーザー毎に起動できるのも便利
前述の通り、私は安い VPS (Linux)上の非管理者ユーザー(hermes ユーザー)の権限で Hermes Agent を動かしています。プロファイルでは設定・メモリー・スキルなどは別々のものが使われますが、ディレクトリが分かれているだけ(同じユーザー権限で動く)なので、原理的には他のプロファイルのファイルを読み書きすることも可能です(※)。
それが嫌な場合は、違う OS ユーザー(例えば hermes2 )を作ってその権限で別の Hermes Agent を動かすことも可能です。
※: バックエンドを Docker などに変更することで回避は出来るようですが、詳細は省略します。
今後やりたい事
完全な個人用途でも使ってみたい
前述の通り、現時点での使い方は、他の人があまり関わらない業務の効率化・自動化を行うというものですが、完全な個人用途でも使ってみたいです。
技術的には違った OS ユーザーで起動すれば簡単に実現できるはずです。また、業務であれば設定変更とかを細かく管理したり、どのような処理が実行されているかについてある程度は把握しておく必要がありますが、個人用途であればそうした管理は不要で、せいぜいバックアップを定期的にとっておくくらいかと思います。
A2A
Hermes Agent は A2A Protocol (エージェント同士が連携する際のやりとりを標準化したプロトコル)に対応しているようです。ドキュメントは以下にあります。
A2A (Agent-to-Agent) | Hermes Agent
AI エージェント間を協調して動作させるというのは、みんなまだまだ手探りでやっているところも多いかと思いますが、自分でも色々試してみたいです。まずは社内のメンバー向けに公開するとかでしょうか。
まとめ
OpenClaw の少し後に出て結構話題になった Hermes Agent を触ってみました。最近そこまで話題に上らなくなったというのは悪い話ではなく、使う人数が増えて当たり前のツールになってきたという面もあると思います。
個人的な技術者視点では、裏で勝手に色々行われるのが気持ち悪い反面、用途毎に複数起動して簡単に使い分けられるのが一番嬉しい点だと思いました。今回の記事を書くに当たってドキュメントを色々読んでみたら、色々やりたい事が出てきました。A2A は楽しそうなので、そのうちやってみようと思います。
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