開発用パソコンを買うときに検討すべきこと2025年Q1時点
目次
概要
「どんなパソコンを買ったら良いかわからない」という方は多いのではないでしょうか。その人の好みや用途、予算によってその人にとって最適なパソコンは変わってくると思います。
また今回の本題である「プログラミングを勉強するorプログラミングで仕事をするパソコンを何を選んだら良いかわからない」という方も同時に多いのではないでしょうか。実は個人用途とは違った視点で選ぶ必要があると思っています。
対象
これからソフトウェア開発を行う又は学ぶ開発者、学生。特に1台目のパソコンを購入検討している方。
Web・業務アプリ開発を想定
注釈
2025年Q1ごろの情報を下に作成しています。また、個人的な見解を多く含みますので、正しい情報かご自分でご確認ください。

パソコンの寿命
パソコンは1度買えば半永久的に使えるというわけではありません。私は約5年を目処に買い替える必要があると思っています。もちろん故障しなければ10年以上使える場合がありますが、物理的な故障といったハードウェアの問題からOSのサポートが切れてしまう、動作が遅くなってしまったなどソフトウェアに起因する問題が発生する可能性が日に日に高まってきます。
そのためデスクトップであってもノートパソコンであっても「1度買ったら少なくとも5年は使う」とも「5年以上は壊れるかもしれない」とも考える必要があります。買い方に失敗しないために適切な知識を持って選ぶようにしましょう。
選定の際に考慮すべき点
OS
OSとはWindowsやmacOS、Linux、ChromeOSなどのことを指していて、作業や予算に大きく関連します。この記事ではWindowsとmacOSについて取り上げます。(購入や導入に関する手間が少ないため)それぞれの特徴を比較してみましょう。
Windows
現時点ではWindows11をベースに考えます。macOS搭載したパソコンと比較するとWindows11搭載のパソコンは安価で選択肢が広く、逆を言えば何を買って良いか判断が付きにくいと思われます。また、プログラミング以外に出来ることも多く、フリーソフトも多いため様々な場面で活躍できるが、知識不足のまま扱うとセキュリティのリスクが高くプログラミングにおいてはCUI(文字ベース操作)を利用するのにWSL2などWindows固有の環境を作る必要があるなど手間やトラブル対応に時間がかかる印象です。しかしながら利用しているユーザも多いため不具合やエラーが出た時に検索すれば解決する可能性も高いでしょう。
macOS
Windows11を搭載したパソコンと比較すると、高価で選択肢が少ないため予算が許せばどれを買うか絞りやすいと言えるでしょう。勉強や仕事で使う前提であると良いのですが、それ以外の用途ではフリーソフトが少なくしっかりと予算をかける必要があるでしょう。プログラミングにおいてはCUIがUnixベースで扱いやすくトラブルも少ないと聞いていて、実際最近触ってみてそう感じています。
メモリー
プログラミングにおいてはメモリーを使う作業や多く使うソフトウェアがあるため、特にメモリーに余裕がある方が作業に向いています。私見ですが最低限16GB、余裕があれば32GBあると良いと思います。また、macOSと比較してWindows11搭載のパソコンの方がメモリーをより使うため、注意が必要です。(※メモリ使用量の制限 WSL2ではメモリの使用量の上限はデフォルトでシステム全体の半分もしくは8GBのうち小さい値が割り当てられます。また、DockerDesktopにおいて6GB近くに及ぶ例※があります。その為WSL2とDockerDesktopを併用する場合この二つで14GB程度占有される可能性があることを考えると16GBでは不足してしまいます。)
※引用
https://qiita.com/suzuk12345/items/b0f6bf0cfb09dae031ae
CPU
私は12世代intel Core i5 12400を使用していました。(Windows11搭載、メモリ32GB、SSD512GB)
これを使用していて特にCPU性能に困った事はありませんでした。その為、このCPU以上のスペックを持っていれば少なくとも問題ないと言えるでしょう。CPUはPassMarkという性能を数値化して教えてくれるサイトがあります。このサイトでは現時点ではMultithread Ratingが19133点と表記されています。これを参考に購入を検討しているCPUと比較してスコアが問題ないか調べてみると良いでしょう。
https://www.cpubenchmark.net/cpu.php?id=4677&cpu=Intel+Core+i5-12400
macOS搭載パソコンのCPUはM4チップのProでないものでも十二分に性能を発揮してくれると思います。
その他の性能について
この記事においてはその他のハードウェアについては取り上げないようにします。SSDの容量などより性能の良く予算をかけた方ががベターな部分はありますが、SSDの容量においては開発内容や個人差によって必要容量が異なる為考慮しないものとしました。
デスクトップパソコンかノートパソコンか
ノートパソコンであればモニターやキーボードが搭載されており、バッテリーも内蔵していてコンパクトなため持ち運びもでき、デスクトップパソコンと比較してよりノートパソコンが好まれる傾向にあると思います。
しかしノートパソコンのデメリットを把握しておく必要があると思います。デスクトップと比較して同じ性能でもノートの方が高価な傾向にあり、バッテリーは充電したままにしておくとより劣化しやすくなり、排熱のためのファンはうるさくなってしまいがちです。また自分で修理することは難しいため、壊れてしまった場合メーカーへの修理依頼が必要になるでしょう。
そのため、パソコンを買う前にパソコンを持ち運ぶ必要があるか熟慮する必要があるでしょう。最近はデスクトップでもMac miniを始めWindows搭載パソコンでもminiPCと呼ばれるジャンルが出来て、コンパクトで軽い物も出てきています。
私見では家で作業する時はデスクトップ、出先ではノートと使い分ける方が良いと思います。ノートだけで家での作業を快適にすることは難しいと考えています。しかし、最初の1台目を買う場合多くの人が持ち運ぶことを前提とするのでは無いかと思うこと、デスクトップの場合モニターなどの機材を別途買う必要があるため、考慮することが多くなってしまうこと、2点からノートパソコンをお勧めいたします。またノートパソコンには別途延長保証など故障に対する対策も行なっておくことをお勧めします。
開発目的別補足
用途 | 推奨スペックの補足 |
---|---|
Web・業務アプリ開発 | 前述のスペックを想定 |
Androidアプリ開発 | Android Studioはメモリ32GB以上 を推奨 |
iOSアプリ開発 | macOS搭載パソコンが必要、メモリ32GB以上を推奨 |
ゲーム開発 | GPU必須かつ、CPUも高性能モデルが必要なためデスクトップパソコンを推奨 |
機械学習 | GPU搭載+メモリ32GB以上、SSD 1TB以上が良いためデスクトップパソコンを推奨 |
お勧めのパソコン構成 予算別
注釈
価格は記事作成時のもので変動する場合があります。参考程度の金額とお考えください。
8〜11万:Windows11搭載:ノートパソコン
メモリーが16GBまたは32GBのノートパソコンで持ち歩く頻度によって頻度が高ければより画面が小さいもの、少なければより画面の大きいものを購入するのがよいでしょう。 通販で購入するのであればLenovo、HP、Dellなどシェアの高いメーカーで延長保証をつけるのがよいと思います。家電量販店で購入する場合は事前に通販で買う場合どれくらいの価格で購入できるかを調査してから見に行くのがよいと思います。家電量販店の方が高級モデルを扱っている割合が多いため、予算はある程度考慮する必要があると思います。
9.5〜15.5万 + モニターなど3万:macOS搭載:デスクトップパソコン:Mac mini
デスクトップ環境で入門したい、macOSで入門したい場合の有力な選択肢となると思います。通販で購入しても、家電量販店で購入しても恐らく価格は変わらないため他のものと比較したい場合は実際に見に行ってみるのも良いでしょう。メモリーを増やすと価格も上がってしまいますが、極力メモリーは24GB以上にしておいた方が良いと思います。また、本体とは別にモニターやキーボード、マウスを最低限用意する必要がある事は注意しておきましょう。モニターは安ければ24インチのものが2万程度で購入できると思いますし、キーボード、マウスは純正のものでも良いですし、より安価な製品を選んでも良いと思います。私見ではモニターは壊れなければパソコン本体よりも長く使うことになる可能性があり27インチWQHD以上のモニターを選ぶなど予算を割いてもより快適に作業ができるため投資に見合ったリターンを期待できると思います。
16.5〜22.5万:macOS搭載:ノートパソコン:MacBook Air
macOSでノートパソコンが良い場合入門としてはMacBook AirまたはMacBook Proとなると思います。ここではより安価なAirを取り上げました。極力メモリを増やした構成にしておくこと、延長保証をつけることをお勧めします。
番外編
1.8万 + モニターなど3万:Raspberry Pi
すでにパソコンを持っていてお子さんなどに新たに学習用に必要な場合選択肢にもできるのがRaspberry Piです。スターターキットとモニターやキーボード、マウスがあればLinuxベースの環境を作ることが出来ます。電子工作の入門にもよく使われるため普通のパソコンには出来ない学習や遊び方もできます。しかし、WindowsやmacOSで動くようなアプリケーションは使えない場合が多いためあくまでCUIやGUIエディタを使った開発ができる程度と考えておいた方が良いと思います。
キーボード
キーボードは現在安価な品2千程度から高級品3万程度まで幅広い価格で売られています。無理に最初から高級な物を買う必要はありません。しかし、キーボードには大きさ(ボタンの数が多いか少ないか)があり、初めは最も大きくテンキーが搭載されているフルサイズキーボードをお勧めします。特にFキー(F1,F2など)やHomeキー、矢印キーが省略されていないものをお勧めします。開発では特に前述のFキーなどをよく使います。省略されているとそのキーボード特有の入力方法に従うようになるため手間がかかってしまうと思います。
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